「お金が貯まらまい」
「資産形成の具体的な方法を知りたい」
「投資に関する重要なことを知りたい」
著者はデータサイエンティストの『ニック・マジェーリ』さんです。
本書は、データサイエンティストによる分析を活かして、長期的な資産形成の具体的な方法を教えてくれます。
つまり、「お金を増やして人生を良くしてくれる方法」を知ることができます。
ポイントは、「投資」です。貯金するよりも「投資」が重要と述べています。
なぜなら、「貯金だけでは限界がある」からです。収入の何割かを貯金に回すのは大切ですが、生活費の増加や収入の限界もあるため、貯金だけではどうしても限界が出てきます。
とはいえ、「投資」が重要といっても、具体的にどうしたら良いのか?
はじめに本書では、ある重要な「投資哲学」を記載します。
それが、
『ジャスト・キープ・バイイング(ただ買い続けなさい)』です。
投資をする際に、「結局何に投資をしたら良いのか」「いつ買えば良いのか」と考えます。それが逆に自分に不安やストレスを与えてしまうこともあります。
本書では、重要なのは「とにかく株を買い続けること」と言います。
ここで、これは「ドルコスト平均法では?」と思われた方もいるかもしれません。これは、長期にわたって金融資産を定期的に購入することを言います。実質的には同じ意味をしております。
ただ、よりはっきりとした哲学が「とにかく買い続ける」です。
家賃や通信費を払う、食料を買うのと同じに「投資を払うのを習慣」することで、「自動的に富が増え続ける」のです。
本書では、100年以上のデータに基づいて、より具体的な方法で私たちに、富を増やす方法を教えてくれます。
それでは具体的に解説していきます。
貯金をするべきか?それとも投資か?

まずは、本書は2部構成になっています。
「貯金力アップ(貯金から投資へと続く道のり)」
「投資力アップ」
足りない人は「貯金力アップ」へ、もう十分に貯金がある方は、「投資力アップ」へ、
では、それをどのように判断していくのか?
そこで、「予想貯金額」と「予想投資収益額」が出てきます。
「予想貯金額」は、1年間無理なく貯金できる額です。たとえば、毎月5万円を貯金すると1年間で60万円です。
「予想投資収益額」は、今後1年間に予想される収益額です。たとえば、投資資産が60万円で年利10%の場合は6万です。
これら2つを比較して、予想貯金額の方が大きい人は、貯金を増やすことに集中するべきです。数値が近い人は、両方に時間を費やすとよいでしょう。一般的には年齢が上がる投資フェーズに入っていきます。
つまり、投資資産が少ない場合は貯金力アップに集中して、多い場合は投資力アップに集中しましょう。
貯金の重要な考え方

「収入の3割は貯金に回そう」という考えがあります。
たしかに、シンプルな考え方です。毎月20万円収入ある方でしたら6万円。
ただ、現実問題はなかなか難しいです。なぜなら、どの収入の人も同じで割合で貯金できることを前提にしているからです。また、長期的に収入を得れることも前提しています。
たとえば、年収500万の方であれば150万、年収200万の方は60万。
データでは、所得が低い人の貯蓄率は毎年収入1%貯金して、所得が高い人は毎年収入24%を貯金していました。つまりは、富が増えれば貯金力も上がるということです。
では、どのような考え方が良いのでしょうか。
それが次の方程式です。
貯金=収入-支出
ノートでも家計簿アプリでも構いません。どのくらい貯金額かを把握しましょう。
また、貯金力アップのためには、
「できる限り収入をアップすべき」
「できる限り支出を切り詰めるべき」
という考え方があります。
どちらが効果的でしょうか。
データによると、『収入が増えても支出が同じように増えるわけではない」です。
つまりは、支出を減らすのはもちろん効果的ではあるが限界があります。ただし、収入アップには限界はありません。
昇給や転職、副業等で収入を増やすことは貯金力アップにやはり重要です。
どのように投資を継続するのか

まず、私たちは投資をすべき理由をお伝えします。
それは、「老後に備えるため」や「インフレから資産を守るため」です。
何が起こるかわからないので緊急時への備えも重要ですが、老後の自分を想像するとやはり対策はしておきたいものです。また、物価上昇は目に見えない税金です。貯金をしても金利は0.2%ほどです、投資に回すと4%等の効果があります。
投資をすべきというよりは、「投資をしなければならない」となっています。
ここからは、本書の投資哲学の「JUST KEEP BUYING(とにかく買い続ける)」という具体的な方法を記載いたします。
ポイントは以下です。
・定期的に自動で投資する
「ドルコスト平均法」に基づき、毎月一定額を投資し続けることで、市場の変動に左右されずに資産を増やすことができる。
・収入が増えたら投資額も増やす
収入が増えた場合、その増加分を消費に回すのではなく、投資額を増やすことでより早く資産を築くことができる。
・長期的に投資を前提にする
・投資先は過去データから現金や債券より株式のリターンが高い。特にS&P500などの「インデックスファンド」への長期投資が推奨
・債券や不動産や暗号資産はも検討するが、初心者は株式投資に優先すべき
結論は、毎月自分が投資できる額の中で「とにかく株を買い続けること」です。
「ジャスト・キープ・バイイング」21の黄金ルール
本書では、「21の黄金ルール」という指針が提示されています。
- お金がない人は「貯金」を、お金がある人は「投資」を重視すべき
- できる範囲で貯金する
- 節約よりも収入アップ
- 「2倍ルール」で罪悪感を減らす
- 収入アップ分の50%以上を貯蓄する
- 借金は使い方次第
- 家は適切な場合のみ購入する
- 頭金は、まずは現金で貯めることを検討する
- リタイアで大切なのはお金だけではない
- 減り続ける「人的資本」を「金融資本」に置き換えるために投資する
- オーナーのように考え、収益資産を買う
- 個別株は買わない
- 早く買ってゆっくり売る
- できるだけ頻繁に投資する
- 投資とは配られたカードではなく、そのカードを使ってプレーすること
- 相場の変動は必然的に発生するが、恐れてはいけない
- 暴落は(通常は)買いのチャンス
- 過度に贅沢な暮らしをしようとして大きなリスクを背負うのではなく、十分な暮らしができるお金を確実に得ることを重視する
- どれだけ資産が増えても、金持ちになったと感じないが、それは問題ない
- 時間ほど重要な資産はない
- 私たちはすでにこのゲームをプレーしている
ぜひ、本書を読んで参考にすると良いでしょう。
まとめ
今回は、「JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則」をお伝えしました。
- 貯金をするべきか?それとも投資か?
- 貯金の重要な考え方
- どのように投資を継続するのか
- 「ジャスト・キープ・バイイング」21の黄金ルール
『ジャスト・キープ・バイイング(ただ買い続けなさい)』
この投資哲学は、よりはっきりとして具体的な方法です。
最後に、本書では「時間」について語っています。
この世で唯一取り戻せないものは「時間」です。お金を重視するのか、それとも時間か。この論点は非常に難しいところです。
そのため、私たちは、目標の中で時間の価値や人生をどう考えるかが重要です。